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「鹿男あをによし」 万城目学 著

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う~ん、
「プリンセス・トヨトミ」
「鴨川ホルモー」(「ホルモー六景」含む)
が余りに面白くハマってしまった勢いで読んだので
なんかちょっとガッカリ。
いや充分面白いんだろうけど、期待しすぎたからかも。

映画「陰陽師」なんかもそうだんだけど
古代史に足をつっこむと、だいたい空回りするね。

「鴨川ホルモー」は京都を舞台に平安時代の陰陽師を絡ませた話。
「プリンセス・トヨトミ」は大坂を舞台に安土桃山時代の大坂の陣を絡ませた話。

でこの「鹿男あをによし」は
奈良を舞台に弥生時代の卑弥呼を絡ませた話、となるんだけど、
古代史って奴は、人によって知識差が余りに大きいので
それを元に小説や映画を作る場合は
「古代史に興味の無い方にも判るように」
とやたらと説明が多くなってしまう。
例えば、三角縁神獣鏡の下りなんて、
我々古代史ファンとしては、名前さえ出さずに
「鏡みたいのが」くらいの方が「ニヤリ」と出来るんだけど
それじゃあ、まさか古代史の話と想定していない
「非古代史ファン」のマキメ読者が何のこっちゃか判らなくなるので
「卑弥呼の鏡」の説明を懇切丁寧にとなってしまうんですな。

それに「プリンセス・トヨトミ」の安土桃山~江戸の頃なら
史実が文献に残っているので、それを小説と巧みにリンクさせていくのであるが
「鹿男あをによし」の古代史は殆ど記録が残っておらず
学者や、我々古代史ファンが勝手に説を立てているに過ぎない。
(それが楽しいだけど、ねーリチャード)
だから、「鹿男あをによし」にしても「マキメ説」とリンクしてるに過ぎないので
またイチイチそこでも説明が必要となってくる訳ですな。

これらに引きずられたのか、せっかくの「坊ちゃん」テイストも
自らネタばらししてしまうし。
「鹿せんべい、そんなにうまいか」
なんてちょっと笑ったんだけど。

ただ、時系列的には
「鴨川ホルモー」
「鹿男あをによし」
「プリンセス・トヨトミ」
の順番で書かれているので
「鹿男あをによし」の時の反省と苦悩が、
傑作「プリンセス・トヨトミ」を産んだのかも知れない。

マキメ作品
「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」は、なんかちょっと毛色が違うみたいなので
琵琶湖を舞台にした「偉大なる、しゅららぼん」はまだ文庫化されてなのかー。
エッセイ集の「ザ・万歩計」読むかな。

《追記》
しっかし、ようこの「鹿男あをによし」をドラマ化したねー。
きっどさん、すっかり見逃してしまった。
CSで再放送してくんないかな~。
かりんとうが綾瀬はるか?
堀田が多部未華子ちゃん?
じゃあ、ラストに玉木宏と~??


ペタしてね


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