まず月食というのは
こういう位置関係なんですな。
だから月食は必ず満月の日に起こる。
(反対に日食は必ず新月)
「じゃあ、太陽の光を地球が遮るんだから、お月さんは真っ黒になる筈」
と考えるのが普通ですな。
しかし皆既月食の時,月が完全に暗くならずに赤銅色に輝いて見える。
今回、きっどさんが苦心して撮影した写真でもこの通り!
地球には大気がある。
そこを通り抜けた太陽の光に照らされている為である。
波長の短い青い光は地球大気に散乱されやすく、
波長の長い赤い光は大気を通り抜けやすいため、
赤い光の方がたくさん月に届き、月が赤く見えるという訳。
夕焼けが赤いのと同じ原理である。
じゃあ、前後の部分食の時は何故、赤銅色にならないか?
確かに影は黒いですな。
月というのはめちゃめちゃ明るい!
満月の時は-12~13等級
半月でも-10等級もある。
全天で一番明るい恒星であるシリウスで-1.46等級だから
これはとんでもない明るさ。
だから、本当は部分月食の時でも影の部分に赤い光は届いているんだけど
光っている部分の明るさが強過ぎて、目立たなくなってしまっているのだ。
皆既日食の時に、太陽の周囲に普段は見えていないコロナが輝くけど
部分日食や金環食の時は見えないのと同じ理屈ですな。
因みに半月や、三日月の時は屈折した赤い光は届いていない。
それは位置関係が月食時と違うからである。
それでも影の部分が薄っすら見えるのは
地球に反射した太陽光を、間接的に照らしているのである。
ご理解頂けましたか?
蒼井そら様。