先日まで読売テレビ系で放送されていたドラマ
「花咲舞が黙ってない」
の原作であるが、実際に杏が演じた花咲舞が出てくるのは『不祥事』の方だけ、
『銀行総務特命』の主人公は指宿と言う男性調査役であり、
花咲舞に相当する女性・唐木怜が出てくるのは第3話からで、最初は敵役である。
しかも唐木怜も調査役で主人公とは同じ役職、しかも結構なエリートコース、
ドラマの花咲舞とは設定が相当違う。
でもついつい無茶しちゃって処とはイメージだぶるし、
ペイオフを利用した詐欺事件の話は、こちらの『銀行総務特命』の最終話だし
何故かそこには主人公だった筈の指宿調査役の姿が消えてしまってる。
『不祥事』はタイトルが仰々し割には
実際に花咲舞が登場するだけあって、ドラマのようにちょっとコミカルで軽いタッチ。
(実は「半沢直樹」の原作の『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』もあんなに重厚ではない)
比べて『銀行総務特命』は主人公たちが「単なる事務の指導係」から「副頭取直属の特命不祥事処理」なので
プライドも高いし、偉そうにしている、扱ってる事案も深刻なのでダークな表現が多い。
それをまあ、巧い事一本のドラマに組み立てたもんだ。
まあ、どちらの原作もそのままストーリーをドラマ化しているのではなく
「設定を引用」ってレベルなんだけどね。
だからドラマを観ていて「んん??」と思ってたのも原作を読むと得心するし。
池井戸潤のワンパターン勧善懲悪ストーリーは相変わらず鼻につくが
どちらも連続ドラマ風の短編集で読み易い。
特にドラマ観た方は、軽い気持ちで斜め読みをオススメ!
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『不祥事』『銀行総務特命』 池井戸潤著 ドラマ「花咲舞が黙ってない」の原作
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