ある日、パチンコにいった。
とてもやかましい店だったので、
耳栓替わりにパチンコ玉を左右の耳に詰めた。
ところがあまりにも耳の奥に詰め込んだので、
これが抜けなくなった。
耳掻きで取りだそうにも耳掻きをこじいれる隙間もありません。
息子の持っている磁石で吸い出そうとしましたが、
教材程度の磁石ではとても無理。
そこで、知人が勤めるある企業の研究室を訪れた。
以前、そこの研究室に実験用に強力な磁石がある
ということを聞いていたからだ。
知人は呆れかえり
「はっはっは。バカな奴だな。まぁいい。
うちのは無茶苦茶強力な磁石だから、簡単に抜けるよ。
そこのところに耳をつけて」
知人に指示されたとおり、右の耳を装置につけた。
知人がスイッチを入れる。
言葉通り、その磁石は強力で、
パチンコ玉は瞬時に引き寄せられ、
カキーンカキーンという衝突音が研究室に響きわたった。