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意味がわかると怖い話1299 「敵国兵」

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A国が、敵国と戦争をしていた頃の話。私はA国兵として、前線で戦っていた。
命令は単純で、「敵国兵を見つけたら皆殺しにせよ」である。
その命令通り私は敵国兵を何人も殺し、成果を挙げてきた。

しかし私は、ふとした隙を突かれて敵国兵に捕えられてしまった。
捕まった私は敵国の城まで連行され、牢へ入れられた。
私は牢の見張りが1人になった時を狙い、その見張りの兵を殺した。
そして服を奪い、それを身に着けることで脱獄に成功した。

敵国は甘い。
捕えた時点で私を殺していれば、このようなことは無かったのだ。
私が脱獄したことに気づいた兵は1人もいなかった。
だが、牢で1人の兵士が倒れているのが発見されるのも時間の問題だろう。
一刻も早く、私は城から遠ざかる必要がある。私は急いでA国軍の前線を目指した。

あれから何日歩いただろうか。

食べる物もなく痩せこけ、髪を振り乱した姿は惨めであるに違いない。
私はこのままA国軍に合流すること無く、力尽きてしまうのだろうか。

そう思っていた矢先、遠くにA国の旗を見つけた。
私は喜び、その旗を目指して最後の力を振り絞り、走った。

これでやっと私は、A国軍の前線へ合流できるのだ。


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