男の声「お前は12番目の挑戦者だ」
目を覚ました部屋で、最初に聞いた言葉がそれだった。
私は今なぜか見覚えのない部屋にいる。
私はとある企業で技術者として働いていたのだが、
昨日帰宅してからここに到るまでの記憶が無かった。
そしてまたスピーカーから聞き覚えの無い声が聞こえてきた。
男の声「時間内にこの部屋から出ることができればお前を解放しよう。
室内に用意されたPC内にある36個の謎を解けば扉は開く。
それではゲームスタートだ。」
私はその申し出に戸惑いながらも了承し、タイマーが作動した。
タイマーは「1時間48分」という中途半端な時間から始まった。
壁は分厚いコンクリで固められ、空調の音が部屋全体に響いていた。
そこらには大量に缶詰が転がっているため、空腹は満たせそうである。
謎は、幸運にも自分の得意としている推理的なものと、暗号的な要素を
もったものがほとんどであり、私は次々とクリアしていった。
しかし、全力で挑んだものの最後の1問を残したところで、
時間が切れてしまった。
男の声「残念だったな、時間だ。」
ガスの様なものに包まれ私は意識を失った・・・
--------- 数時間後 ----------
男の声「お前は12番目の挑戦者だ」