どうやら一週間後、中学の同窓会が開かれるらしい。
久しぶりにクラスメイトに会えると思うと胸も弾む。
あいつは元気かな?初恋のあの娘は結婚したんだろうか?
僕はインターネットで会場を調べながら、ワクワクしていた。
同窓会の会場は、界隈でも人気のホテルの一室。
集まった顔ぶれは、年こそとったものの、あの頃の面影が残っている。
僕は中学時代を思い出しながら、楽しそうな皆の顔を眺めていた。
そして、ふとY君が居ないことに気がついた。
無性にY君に会いたくなった僕は、皆にY君がどうしてるか聞いてみた。
「ねぇ、Y君、来てないの?」
すると、皆の答えは決まって「誰だっけ?」の一言。
薄情なやつらだ。誰一人覚えていないなんて。
僕はとても悲しい気分になり、泣きながら一人会場を後にした。