ボブ「やぁサム、どうしたんだい?浮かない顔をして。」
サム「どうもこうもないよ、ボブ。どうやらマイワイフが浮気してるみたいなんだ。」
ボブ「な、なんってこったあのミランダが?サム、君はいつも惚気てたじゃないか。みんな心底羨ましがっていたのに。」
サム「ああ、騙されてたよ。くそ!あの忌々しい女、いっそ殺してしまいたい・・・!」
ボブ「・・・なぁ、サム。本気でそう・・・思うのかい?」
サム「ああ!あの糞売女め!できる事ならこの手で絞め殺してやりたいよ!!でもそんな事でムショに入るのはごめんだ。くそ!」
ボブ「ならサム、いい方法がある。それを実行すれば君は捕まるどころか最愛の妻を殺された世界で1番可哀想な被害者になれる。」
サム「ほ、本当かいボブ?そんな上手い手があるなら是非とも実行してみたいものだが・・・。」
ボブ「いいかいサム、まずは今まで以上に奥さんを自慢しまくるんだ。
いや、今まで以上にだ。それと平行して君の部下の中で1番気の荒そうな奴を叩き続ける。」
サム「はぁ?そんな事で妻が死に俺が世界で1番可哀想な被害者になれる訳がないじゃないか!いい加減にしてくれよボブ。」
ボブ「よ~く考えるんだサム。もし君がいつも自分の妻を自慢している上司からいわれのない叱責を受け続ける気の荒い部下だとする。
それがずっと続くと君ならどういう行動に出ると思う?」
サム「俺だったら・・・その上司がいつも自慢している1番の宝物をぶっ壊してやりたくなる・・・か。」
ボブ「どうだ?完全犯罪だぜ。」
サム「ボブ、ありがとう。早速実行してみる事にするよ。ただ・・・今日の話は無かった事にして欲しいんだ・・・」
ボブ「当然わかってるよサム。お前には色々借りたりしていつも世話になってるんだ。それのちょっとした恩返しさ。心配すんな。」
サム「そんな大層な物、貸した事あったかな?・・・まぁ、君がそう言ってくれるなら安心だ。頑張ってみるよ!」
・・・数ヶ月後、全国紙一面
「上司を射殺した作業員逮捕。動機はここ数ヶ月続いたパワハラによるものか!?」
新聞を静かに閉じ、コーヒーを2杯持ちベッドへ戻りながら
ミランダ「ほんと、完全犯罪ね」