オリンピック前から言ってた通り内村航平の最大の目標は
「団体での金」だった。
それは内村がええ格好しているのではなく
体操競技では、少なくとも日本の体操界では
「団体・金」こそが至上命題であり、
個人の総合・種目別は二の次、三の次、
極論を言えばオマケでしかない。
森末慎二原作の漫画「ガンバ!Fly high」においては
個人競技は描かれてさえいない。
しかし、内村航平は決して「チーム競技」に向いている性格とは言い難い。
北京の時のように「末っ子」で伸び伸びと演技する立場ならともかく
ロンドン五輪で求められた、エースとしてチームを引っ張っていくタイプではない。
具志堅や富田とは明らかにキャラが違うのだ。
実際、演技を引っ張るチームリーダーは内村であっても
キャプテンは最年長の27歳、田中和仁である。
その田中兄が団体でも、そして個人総合でも最後にポカを犯しメダルを逃した。
考えてみれば、この田中兄がキャプテンとして
エースの「チームリーダー」としての「らしくない気負い」を肩代わりしてあげられない、
どころか反対に自らのミスの数々で負担を増やしてしまった事で
団体において内村航平の本来の輝きをくすませてしまった主因かも知れない。
その「エースとしての重圧」から開放されたら、
鉄棒で安全策をとってコールマンを抜く構成でも余裕の金メダル!
内村航平おめでとー!
つくづく残念なのは、その「らしくない気負い」で鉄棒の種目別進出を逃した事。
「らしら」が戻った内村航平なら充分にメダル、いや金メダルを望めたものを。