台風11号が本日午前9時頃に温帯低気圧に変わった
と発表された。
これについて
『しかし依然として警戒が必要だ。』
『台風11号、温帯低気圧に変わるも北海道で激しい雨』
等々、まるで「台風は勢力が弱まったけどまだまだ警戒が必要」とのニュアンスで伝えるマスメディアが多いが
これは誤解を招きやすい。
午前9時50分発表の台風11号が変わった温帯低気圧の勢力は972hPa
台風ではなくなったので中心付近の最大風速は公表されていないが「強い台風レベル」の勢力を維持していると推察される。
そもそも台風の成れの果てとして良く言われる「熱帯低気圧」と
今回変わった「温帯低気圧」は何がどう違うのであろうか?
熱帯低気圧とは、熱帯地方は海水温が高いので蒸発して上昇気流が発生しやすい。
この渦、即ち積乱雲が固まって出来ていく物である。
そのエネルギー源は空で水蒸気が水に変わるときの凝縮熱(気化熱の反対)
だから熱帯低気圧は温かい空気だけで形成されている。
これが中心付近の最大風速が17.2m以上になると北西太平洋地域では
「台風」と呼ぶんですな。
一方「温帯低気圧」とは
寒気と暖気がぶつかった時に発生する渦の事で
暖気は軽いので上へ、寒気は重いので下へ移動しようとする位置エネルギーがエネルギー源。
前方に温暖前線を後方に寒冷前線を伴う。
これがいくら勢力を強めても「台風」とは呼ばれない。
「台風並みの」とニュースで流され、急速に発達した場合は「爆弾低気圧」と呼ばれる。
すなわち
台風が「熱帯低気圧」に変わった場合は勢力が衰えたという事だけど
台風が「温帯低気圧」に変わった場合は構造の変化でしなかい。
この点を正確に伝えてるのはフジテレビで
『西日本を縦断した台風11号は、11日午前中に、北海道の西の海上で温帯低気圧に変わった。
11日夜にかけては、台風から変わった低気圧からのびる前線が、北日本を通過するとみられる。』
ただ気象庁としては「温帯低気圧に変わった」と発表すると「勢力が弱まった」と誤解され油断されると困るので、
敢えて発表時期をずらしている、って事もあるらしい。
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「台風11号は温帯低気圧へと変わりました」は勢力が衰えた訳ではない。
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