$ 0 0 夜遅く、人気のない路地裏を通ると一人の男が立っていた。 近づいてみると、体中血だらけで手にはべっとりと血が付いた包丁が握られていた。 俺は恐怖のあまり体が硬直して動けなくなった。 その男は目をひん剥きながら、俺の方を指差して、 「う…う…うぅ………」 それはまるで何かの呪いでもかけるのかような不気味さを放っていた。 だが少しホッとした部分もあった。 その場を動かずに、うーうー言ってる分にはこちらに危害はないからだ。 そう思い、後ずさりしようとした瞬間、俺は意識を失った。 「…………………ろ」