娘にとって父親は尊敬する人物だった、浮気が発覚するまでは。
相手は父親がかって両親に反対されて一緒になれなかった女性だった。
彼女との間に女の子がいることも分かった。
何よりもショックだったのは父親の「○○(娘)よりも××(愛人の娘)の
方が可愛い」だった・・・両親が離婚したのは半年後。
娘は勉学に励み数十年後女性裁判官になった。
彼女が担当したのは「殺人事件」17歳の少年が幼馴染を三人刺殺。
状況証拠や証言で彼が犯人なのは確実と思われたが陪審員の中には「冤罪の可能性が」
「情報操作」の意見もあり裁判は難航したが彼女が少年の家族構成を調べたとき
裁定は決まった検事側の求刑を受け「死刑」の判決を下したのだ。
「息子は冤罪だ!」と訴えていた加害者側の家族は落胆した・・・。
死刑執行・・・息子の母は号泣していた・・少年の祖父も・・。
少年の祖父が裁判官の女性を見て、目を見開きこうつぶやいた。
「お前はそこまでして・・・・」
それ以上は声が続かなかった。