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「ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗」 円谷英明著

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あの円谷英二の孫であり、第6代社長である円谷英明が、
円谷プロが如何に没落し、最終的に外資に乗っ取られ、円谷一族は放逐されたのか?
の「栄光の歴史」を描いた一作である。

幼少の頃、「ウルトラセブン」や「怪奇大作戦」に熱狂していたきっどさん世代にとって
当時は「円谷プロ」はトヨタ自動車なんかよりよっぽどメジャーな企業であり、
イメージ的には東証一部上場の大企業であった。

でも実の処は中小企業とさえ言えない、家内製手工業と言ってもよいくらいの同族零細企業、
それがキャラクター権で小銭が入って来ると、何か勘違いしちゃうんですな。
再三のお家騒動の末に、気づいたら「自分の会社」が他人様の手に。

きっどさん世代のもうひとつのメジャー企業
「新日本プロレス」なんかもそうですな。
国民の殆どが知っていた会社なのに、実は猪木の個人商店でしか過ぎなかった。

円谷プロも新日もひょっとしたら上場企業に成り上がっていたのかも知れない。
そこに欠けていたのは、信頼出来る外部の経営・経理のプロだろうか?
そして、その人材を得て、町工場から「世界のホンダ」に成長したのが本田技研工業って事か。

著者は反省してる素振りを見せながらも、反対勢力の同族が悪い、と一方的に書いているが、
実際には「どっちもどっち」だと思われる。

「自分の会社」から
「会社は社会のモノ」なんて発想に昇華する瞬間はいつ訪れるのだろうか?


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