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意味がわかると怖い話1283 「6歳と4歳の息子」

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私には6歳と4歳の息子が居る。

その日、雑誌編集者の妻は年末進行で仕事に出ていたので、私が息子たちの面倒を見ることになっていた。

昼食を取り、三人で公園に出かけた。
私は誰もいない公園のベンチに座り、読みかけの新書に目を落とした。
縄跳びがリズム良く空を切る音と一緒に、下の息子の声が聞こえる。

「兄ちゃん、貸してよ」「ねえ、こっち使っていいから!」

上の息子の青い縄跳びが欲しいのだろう。下の息子のは、もっと短い赤い縄跳びだったからな。

せめて同じ色のものを買うべきだった。また大喧嘩になる。この年頃の男の子が、自分から弟に物を貸すことは、普通ない。

それがこの日は兄が無視を決め込んでいるようだ。となると、弟は私に泣きついてくるほかない。下の息子が私の前に小走りでやってくる。

そらきた。私は本から目を上げた。

「兄ちゃんが冷たいよ」

まあ泣いてないだけ偉い。喧嘩もしなかったし。

おや、でもこいつはちゃんと兄の縄跳びを持っているじゃないか。

そこで私は言った。

「そんなことないよ。お兄ちゃんらしく縄跳びを貸してくれたろ。ありがとうって言って、もうちょっと一緒に遊んでおいで」。

私は再び本を開いた。弟の足音が遠ざかる。

「兄ちゃん、ありがとう」

の声のあとに、幼い手が拙く縄跳びを回す音が聞こえてきた。


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