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意味がわかると怖い話1050 「中華料理屋」

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今日は楽しかったわ。

今まであまり楽しい事はなかった私。
けど偶然見つけた中華料理店に入ったら注文を取りに来たおばちゃんがこう言うのよ。
『地域応援の限定のサービスがあるのよ。』
聞けばこの店から徒歩で20分以内に住んでるお客さんには普段の半額以下で食事ができると。
さらに一人暮らしで頑張ってる人には素敵なサービスがあると言う。
私にぴったりのこんなチャンス逃す手はない。
全て正直に告げ、身分証明書も確認してもらいいざ注文、中華丼と餃子を頼むことしばし注文した物の他に春巻と鳥の唐揚げが運ばれてきた。
驚いている私におばちゃんは。
『サービスよ、他に客もいないしゆっくり食べればいいよ。』
と優しく言ってくれた。
料理はどれもおいしく自分でも驚くほど早く食べ終わってしまった。
サービスに甘えて長居は無用と席を立とうとするとおばちゃんが慌てたような驚いたような顔で
『あれまあもう食べちゃったのかい。ちょっとこれでも飲んで待っててね、今お土産を作らせるからね』
と、お酒の用意をしてくれた。
しかもお土産ができるまでおばちゃんが酒の相手をしてくれ私の愚痴や悩みを優しく聞いてくれた。
いつの間にか涙を滲ませながら私は時間も忘れおばちゃんに話しを聞いて貰っていた。
気が付くともう閉店時間は過ぎていたのか厨房には誰もいなく、お土産はとっくに出来ていた様子。
好意に甘え過ぎた非礼を詫び、今度こそ席を立ち破格の会計を済まし、こんなに楽しかったのは久しぶりだった旨とお礼を述べると
『実は今日で店仕舞いなの。最後の最後にこんな嬉し事があるとはこちらこそありがとう。』
と、おばちゃんは本当に嬉しそうに言ってくれた。

そう、今日は本当に楽しかった。
鍵のかかっていない玄関のドアを開けるまでは。



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