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意味がわかると怖い話1011 「暗所恐怖症」

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僕は暗所恐怖症だ。
子供の頃、真っ暗な倉庫に閉じ込められた…とか暗所恐怖症の人にはそれぞれ理由がある。
僕にも理由がある。

2年前の夏。
一番金のなかった時期に電気代が払えなくて電気が止まった。
夏で汗をかいていたこともあって真っ暗だけどシャワーを浴びようと考えた。
でも、真っ暗な中シャワーを浴びるのはちょっと怖かった。
だってうちの風呂はユニットバスで窓なんてなかったから本当に真っ暗だし…。

だから顔だけ洗って次の日の朝シャワーを浴びることにした。

顔を洗おうと蛇口をひねり、お湯になるのを待つ。
水が出ると同時に視線を感じた。
真っ暗なユニットバス(洗面台もトイレもここにある)で感じる視線に僕は怯えたけれど気のせいだと自分に言い聞かせてお湯になるのを待った。

しばらく視線を感じながら待っていると、お湯になった。
お湯の温度がいつもよりもぬるく感じた。
人肌程度で中途半端な温度。
でもしばらく待ってもそれ以上温度は上がらなかった。

怖かったからサッと顔を洗う。
背中を何かが触ったような感じがした。
気づかないふりをしてタオルで顔を拭いた。
視線はなくなっていた。
いそいで着替えてベッドで丸くなっているといつの間にか眠っていた。

朝タオルを見ると真っ赤な顔と手が浮かび上がっていて、気絶しそうなくらい驚いた。
視線はタオルからだったのか…と。

それ以来僕は暗いところが怖くなった。


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