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意味がわかると怖い話999 「伝説の血筋」

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「この村にはな、伝説の血筋があるんじゃよ。
村人ひとりの寿命を一日分だけ他の村人に移すことができるんじゃ。
だから、婆ちゃんの寿命も一日分、ふみちゃんに分けてあげるよ…
婆ちゃんの一日をふみちゃんが生きるんよ、いいか。
婆ちゃんはそれで幸せじゃよ。可愛い孫がわしの一日を生きるんじゃ…」


急に思い出した。小さい頃の記憶だった。
私は先天性の重病を患っているので、
お婆ちゃんが元気づけようと作り話をしたのだろう。
早く病気を治して、お婆ちゃんやお母さんやお父さんに会いたい。
私は村の小さな病院に入院しているのだ。
「ふみちゃん、お熱はかるわよー」看護婦が入ってきた。
看護師は私の腋の下に体温計を差し込んだ。
私は昨日、衝動的に自殺未遂を起こしたため、
両手足をベルトのようなもので縛られている。

体温計を抜き取ったその時、看護婦は突然バタリと倒れた。
「どうしたの看護婦さん」私は声をかけたがうんともすんとも言わない。
私は大声で他の看護婦を呼んだ。だが誰も来ない。どうしたっていうんだろう。
不意に窓に目をやると、とんでもない異変が起きているのに気付いた。
道を歩いている通行人がばたばたと倒れていくのだ。ドミノ倒しのように。
私はパニックになった。手足は拘束されているので動くこともできない。

その時、テレビから大津波警報が流れた。



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