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鳩山由紀夫・元首相の訪中「尖閣・係争地」発言は日本にどんなデメリットをもたらすというのか?

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鳩山由紀夫元首相がのこのこ中国にまで行って
「日本政府は日中間に領土論争はないと言っているが、歴史を見るなら論争はある」
と発言したり、
南京大虐殺記念館に足を運んで
「日本の戦争犯罪を謝罪した」との行動をとった事について、日本国内では
「国賊だ!」更には「外患誘致罪を適用せよ!」とがなる元警察官僚まで。

ではお尋ねしたい、
「それで日本にどんなデメリットをもたらしたの??」

『日本外交が弱腰との印象を中国に与えた?』
中国指導部もアホやないんやから、
鳩山発言が日本政府や、日本世論を代弁していない事は百も承知。
いや彼が民主党内でも浮いている存在である事も判っての事である。

では
『中国から後々「オタクの元総理が尖閣諸島について認めたではないか」と迫られる?』
それこそ、中国指導部は鳩山が今や何の権力も持っていない事は重々理解している。
鳩山からどんな発言を引き出そうと言質を取った事になるなんて甘い考えを持っていない。
実際、この鳩山発言を受けて何か日本政府に要求して来たか?

中国政府の目的はズバリ
「行き過ぎた中国国内の反日感情を抑える為」に尽きる。
中央政府批判をかわす為に自らの手で火をつけた反日感情ではあるが、
さすがに経済へ与える悪影響に耐え切れず、今度は自らの手で火消しに走っているのである。

2012年の中国の経済成長率は7.8%まで減速した。
しかもかなりの水増しがあり、実際はもっと危うい状態だと。
最高指導者が習近平総書記に変わった事で、日中関係の修復に舵を切った
その中国国内対策の一環として、今回の鳩山訪中を利用したと。

中国との関係修復は、日本にとっては更に急がれる事である。
平成24年の日本の貿易収支は6兆9273億円の赤字であり、これは
第2次石油危機で原油価格の高騰が響いた昭和55年の2兆6129億円を大きく上回る過去最大の赤字幅であり、
この傾向は本年も変わらない。
原因として、原発停止と原油価格高騰が大きいのであるが
更に拍車をかけているのが対中の輸出が激減している事である。

目先は円安材料になる貿易収支の赤字であるが
中期的に日本経済は間違いなく壊滅へと向かうシグナルである。

我が国も政権が変わった、
日中、そろそろ手打ちの時期である。
そう考えるとひょっとして
「鳩山由紀夫は安倍総理の隠れ特使だったのではないか?」
とさえ考えられる。
勿論、真正面から鳩山由紀夫に「中国行って!」と依頼したとは思えないが、
どこかのルートから、お馬鹿な癖に名声欲だけは抜けない由紀夫ちゃんに
「貴方の力で日中関係を改善したら、再び首相の目も!いやノーベル平和賞なんて可能性も!」
てな甘言で焚き付けたのかも知れない。

それ程、今回の一連の行動、
自民党と日本政府にとってメリットこそあれ、デメリットは皆無。
打撃をこうむったのは民主党であり、これは相対的に自民党のメリットとなる。

なんて推察していたところへ、今度は
公明党の山口那津男代表が正真正銘の特使として訪中し
習近平総書記へ安倍首相の親書を手渡した。

これなんぞ、若し直前に一連の鳩山の行動がなければ
安倍政権は極右の連中から「心変わりしたか?」と大きな非難を受けた事であろう。

山口代表が訪中前、香港のテレビ局に対し「将来の知恵に任せることは一つの賢明な判断だ」
との発言、これもひとつのサインである。

政治と言うのはこんな風に互いにサインを出し合い、
着地点を探り合う。
そんな時にいつも邪魔するのが国内のナショナリズムである。
しかし、内政において支持率を高める一番手っ取り早い方法もまた
国内のナショナリズムを高揚させる事。
中国共産党も、安倍晋三もこの総選挙でフルに利用した。
ただ外交の足かせもまた国内のナショナリズム、
正に諸刃の剣である。


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