$ 0 0 近頃近所で殺人事件が相次いでいた。 それを知っていても私は夜道を運動のため走っていた。 走ること数分間。 遠くのほうに街灯が見え、その袂に誰かいた。 だんだんと街灯に近づく。 その人物は不気味だ。一歩も動かない。 まさか、あいつが犯人だろうか? そう思った私は、走る速度を上げた。 その男はこちらを見ると、絶叫した。 怪訝に思ったが、私は無視を決め込んだ。 怪しい人物に関わらないようにしよう。 私は、逃げるようにして男の前を通った。 ――その後、「私」を見たものはいない