バラバラ殺人鬼がいるという、あるカップルがその場所を訪れた。
実際はボロい小屋があるくらいで、それ以外は単純に山の中が不気味というだけ。
彼女は少し怖がっていたので肝試しにはなったが、彼氏には期待外れだったようだ。
「ちょっとトイレ」と彼氏は言い、念のため鍵をかけて車を出て行った。
彼女の方は怖がりだったので、仕方なく毛布にくるまり待機。夜も遅かったということもあり、彼女はそのうち眠くなってきた。
半分寝ぼけまなこでいると、彼氏が横のドアをノックしてきた。彼女は
「ほんと怖いからそういうのやめて。鍵もってるんだからさっさと入ってよ…。」と言い、さっさと眠ってしまった。
翌日、彼女は絶句した。フロントガラス一面血で真っ赤だったのだ。
パニックになり、とにかく助けを呼ぼうと警察に連絡。
昨日の出来事をくまなく話終えると警察が質問してきた。
「ノックしてきたのが彼氏だとどうして分かったんですか?」
彼氏の方は左手の小指に指輪をはめていた。それが見えたので間違いはなかった。そのことを警察に話すと
「そうですか…。いや、開けなくてよかった…。」
車の前には小指に指輪をはめた腕だけが落ちていた。